教育理念
青山学院教育方針にもとづいて、神さまから与えられた賜物を活かし、感謝の心をもって祈り、神と人に仕える人間を育てる
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与えられた一日をどう生きるか
キリスト教を基盤とする青山学院初等部の一日は、朝の礼拝から始まる。礼拝堂で8時25分から約30分間、神様に祈りを捧げる。この時間、教員は子どもたちがおしゃべりや手遊びを始めても、すぐには注意をしない。なぜなら、礼拝中は先生と生徒ではなく、先生も生徒も各々が一人の人として神様に向かい合う時間だからだ。
「6年間で行われる礼拝の回数は1000回を超えます。この日々の繰り返しは、気持ちを落ち着かせ、自己と対話する訓練にもなります。子どもたちはこの時間を通じて、神様から与えられた一日をどう生きるか、自身の内なる声と対話し、考えをめぐらせます。礼拝のお話で心に残った言葉があれば、それについて思索することもあるでしょう。子どもには、一人になって考える時間がとても大事なのです。それを小さいときから継続的に体感できるのが、毎日の礼拝です」と小澤淳一初等部長はいう。
初等部が大切にする5つの約束
青山学院は今年11月に、創立150周年の、大きな節目を迎える。青山学院のみなもとは、明治初期にアメリカの3人の宣教師が設立した学校にあり、初等部は、ロータリークラブを日本に初めて設立した米山梅吉が、昭和12年に青山学院緑岡小学校を開校したことに始まる。
米山は「人にしてもらいたいことは、自分も人にする」という信条を持ち、その大切さを日々の礼拝で子どもたちに繰り返し教えた。この信条のベースには、マタイによる福音書7章12節があり、現在も青山学院初等部の教育理念の核をなしている。この教えは、児童手帳に記載された「5つのおやくそく」に象徴される。
「しんせつにします」
「しょうじきにします」
「れいぎただしくします」
「よくかんがえてします」
「じぶんのことはじぶんでします」
これらは、他人へのやさしさや思いやり、責任感を育む初等部の教育指針にもなっている。
学校生活を上級生がサポート
青山学院は「すべての人と社会のために未来を拓くサーバント・リーダーを育成する」ことをめざしている。この精神を実践する一つが、6年生が1年生とペアになり、サポートするパートナー制度だ。1年生はパートナーのお兄さん、お姉さんから学校生活のいろはを教わり、その関係性は6年生が卒業するまで続く。
この仕組みにより、入学後間もない1年生も安心して学校に通うことができ、6年生は「自分が1年生のときにしてもらってうれしかったこと」を実践するなかで、上級生としての責任感や思いやりを育んでいく。
小澤部長は、「ケンカばかりしていた上級生が1年生と過ごすうちに、頼もしい大人のお兄さんに変わっていく。そんな変貌ぶりに思わず胸が熱くなりました」と目を細めながら振り返る。
毎日取材をして電子掲示板を作成
社会奉仕活動に力を入れている初等部には、毎週水曜日の放課後、5・6年生が参加する16の「プロジェクト活動」がある。
その活動の一つ、23年からスタートした「デジタルインフォメーションプロジェクト(DIP)」は、食堂や礼拝堂など校内に設置された電子掲示板のコンテンツを毎日制作する。
メンバーは、5年生13名、6年生5名の計18名で、礼拝堂と給食室担当の2グループに分かれ、さらに曜日ごとに担当者を決める。担当は、宗教主任の先生にその日の主題聖句や豆知識、食堂の先生には献立で使われている食材や栄養、おいしく食べてほしいポイントなどを取材する。
取材からどんな内容を掲示するか話し合い、内容はパワーポイントで制作。写真やイラストを取り込み、見やすいデザインを工夫する。この活動により、情報を伝えるスキルや文章を書く力が身につく。また、異学年の児童が協力しながら作業を進めるため、コミュニケーション力や協調性も育まれる。
「DIPのメンバーは、掲示板を見た教職員や友達に『よかったよ』『役に立ったよ』と褒められることでこの活動にやりがいを見出しています。何を伝えたらいいかよく考えています。また、取材やパワーポイントなど制作の上達も早く、教えなくてもどんどん上手になっていき、その成長には目を見張るものがあります」と情報科担当の古川武治先生は頑張りを称える。
奉仕活動を行う宗教プロジェクト
礼拝の運営をしている委員会活動の一つ「宗教プロジェクト」では、6名のメンバーが1組となって日々の礼拝の準備や運営を担当する。礼拝の重要性に気づき、奉仕の精神を育むことを目的としたこのプロジェクト活動は、礼拝の準備やセッティング、誘導、司会、来客案内など多岐にわたる。
さらに、学外へ向けての社会奉仕活動も積極的に行っている。使用済み切手やプリンターインクを集め、医療機関や日本聾話学校など支援を必要とするところへ届ける活動だ。集まった使用済み切手やインクを手際よく、楽しそうに仕分けする子どもたちの表情は、充実感にあふれている。
「初等部が大切にする聖書の言葉に、隣人を自分のように愛しなさいという言葉があります。何気なく捨ててしまうものも、こうしてひと手間加えることで他者(隣人)への支援につながります」と小澤部長はいう。
「さらにうれしいのは、このプロジェクトに関わった卒業生たちが、家庭や勤め先で集めた使用済み切手やインクをたくさん送ってくれることです」と微笑む。この活動の原点である奉仕の精神が、卒業生たちの心の中に今も生き続けているのだ。
同じ方向を向いて成長を見守る
毎朝の礼拝やお祈り、社会奉仕活動を通じて、他者への思いやりの精神を育んでいる青山学院初等部。小澤部長は、青山学院がめざす理念の実現には、家庭の協力が不可欠という。
「子どもの成長において、学校と家庭は車の両輪と言われますが、ときに家庭の影響力は学校を上回ることがあります。たとえば学校で行っているお祈りのような習慣です。学校が大切にし、守っていることを共有し、同じ方向を向いて子どもたちの成長を見守ること。これが、わが校が目指す最良の教育です」。
設立年 | 1937年 |
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学制 | 共学(男子1:女子1) |
系列校 | 青山学院大学・大学院、高等部、中等部、幼稚園 |
児童数 | 1学年128名(32名×4クラス) |
授業日 | 月~金 |
学期 | 3学期制 |
昼食 | 給食週4日(木曜は特別ランチまたはお弁当) |
初年度費用 | 1,593,000円 |
転入・編入 | 欠員が出たときにHPで案内 |
進路 | 系列校推薦進学 |
学校案内 | 学校HPをご覧ください。 |
オープンスクール | 学校HPをご覧ください。 |
※上記は2024年5月時点(冊子「スクールダイヤモンド2024」)での情報です。
最新情報は各校のホームページ等でご確認ください。
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