昭和女子大学附属昭和小学校

 教育目標  
目あてをさして進む人・まごころを尽くす人・
からだを丈夫にする人

〒154-8533 東京都世田谷区太子堂1-7-57
Tel:03-3411-5114 Fax:03-3411-5356
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最寄駅●三軒茶屋駅(東急田園都市線)より徒歩7分

こども園の子どもたちから大学院生まで集うスーパーグローバルキャンパスには、
音と心を聴き取る英語力が躍動する

小学生のために開発した独自プログラムで知られる、昭和小学校の英語教育の今を、英語教員の先生方に聞いた。

異学年交流1

異学年交流2

聞くことができなければ話せない

 東京・世田谷区にある昭和女子大学附属昭和小学校は男女共学で明るくのびのびした校風。同じキャンパスにある昭和女子大学は100年の歴史があり、グローバルな展開で知られる。

 小学校の英語の授業時間数は1・2年生が年間30時間、3年生以上は55時間。低学年を担当するのは人見礼子先生とリージャッキー先生。高学年は幡井理恵先生とウォンアラン先生。

 低学年は聞く力をつけることに集中する。子どもたちに身近な楽しい話を通してさまざまな英語の音のインプットを行う。年齢なりの内容の英語をそのまま聞く。生活の中で耳にしている英語の言葉がひとつでも聞きとれたら、それをヒントに、何を言っているのかを推測しながら聞き続ける。

「必要なのは聞き続けようとする気持ちです。もてる力を出し切って話し手や話に関わろうとする強い気持ちが、聞く力を育てます」と人見先生は言う。

 なぜ聞くことが大切なのか、幡井先生は次のように説明する。「聞くことができなければ話せません。読むことができなければ書けません。『聞く』すなわち英語を受け入れる力が、まず必要なのです。赤ちゃんは聞こえてきた言葉をそのまま覚えていきます。これを生活言語体験というのですが、日本の子どもたちは日本語の中で英語の単語を耳にしてきていますから、改めて英語の音として聞くことが必要なのです」。

 いきなり英語を知識として教えようとしても対応できない。何とかして聞きとろう、自分の考えを表現しようと苦心することで、継続する力、やり抜く力がつく。

 アラン先生は「子どもたちは好奇心旺盛。自分からいろいろ質問してくる。日本語を使ってはいけませんとは言っていないのに、知っているかぎりの英語で伝えてくる。こちらがわからないと、身振り手振り交えて、たまに日本語も飛び出す。伝えようとしてくれる気持ちがよく伝わります」と言う。

「子どもたちは全然シャイじゃない。朝マラソンの最中にも英語で声をかけてくる。給食時間に私が配膳をしていると、ビッグ!(大盛りにしてください)と言う」と、ジャッキー先生は笑う。

 ジャッキー先生は2年生の副担任、アラン先生は4年生の副担任として、多くの時間を子どもたちと共にする。

低学年の授業

他教科でも英語を使って

 文字の学習が始まるのは4年生から。といっても、ABCを順序よく覚えていくのではない。低学年の時に音で聞いた言葉を、音をもとにして文字に起こしてみる。それを自分で読んで発音して、はじめて意味につながる。音と、文字と、意味。この3つで言葉が組み立てられる。

「音の通りにスペリングが成立するとは限りません。文字と発音にはおおむね規則性があるけれど規則通りではない単語もたくさんあります。聞いた通りに書いてもつづりが違うこともありますが、それより『書いてみたい』気持ちを大切にします。小学校では文法の学習はありませんが、中学校へ行って『あ、こういうことだったんだ』と後から知ることに、むしろ意味があります」と幡井先生。

 高学年になると他教科とのコラボレーションがふえる。2020年は6年生が地図記号を使って「将来自分が住みたいまち」のポスターを制作し、プレゼンテーションを行った。これは、3年生の時に学んだ地図記号の学習の振り返りを英語で行ったものだ。

 5年生のポップコーンをつくる授業では、担任の先生がその様子を撮影したビデオを、英語の授業で使用した。英語が得意ではなくてもチャレンジする先生の姿に、子どもたちは励まされたことだろう。

他校との交流

行きたい国

ブリティッシュスクール、ミニ運動会

手づくりのデジタル教材から

 昭和小学校が英語の授業を開始したのは1994年のこと。その時は4年生以上だったが、2004年からは全学年が英語を学ぶようになった。この時、小泉清裕第5代小学校校長が取り組んだ、生活言語体験から始める英語学習に使われたカリキュラムは、現在もその基本が継承されている。

 現在は、3・4年生は出版社刊行の教科書、5・6年生は検定教科書の内容を組み込んだカリキュラムで、授業を進めている。デジタル教材も英語科で独自に制作している。

 英語教員がデジタル教材の研究を開始したのは10年ほど前で、5年前から授業で実践している。2019年に校内にマルチメディアルームが新設され、1学年分に相当するタブレット120台が購入された。スクリーンを6台備え、可動式の机とイスは、片付ければ広いスペースになる。英語の授業の多くはここで行っている。

 英語科主任を兼任する中山光子副校長は長くグローバル教育の活動を牽引してきた。コロナ禍の2020年、ジャッキー先生とアラン先生も入って「英語で遊ぼうプログラム」を実施して、帰宅後の子どもたちに、毎日、自由に家庭のパソコン端末で楽しんでもらった。9月には「地中海のマルタ島とライブで語ろう!」と命名したイベントも実施。現地に住む中学生とお母さんが町を散策しながら、英語で学校の話やマルタ島を紹介してくれるプログラムをオンラインでつないだところ、約300名の子どもたちが一斉に参加した。2021年度から、子どもたちは1人1台のセルラータイプのタブレットの活用を始めている。

「ICTの活用により、時代はますます、海外に行かなくともやりとりができるようになっていきます」と話す。

ゲストティーチャー、英語でアート

グローバルマインドの育成

 今、昭和女子大学は「スーパーグローバルキャンパス」の構築を進めている。1982年に創立されたテンプル大学(ペンシルベニア州)ジャパンキャンパスは、準学士号、学士号、修士号、博士号が取得できる。さらに、2018年には昭和女子大学のキャンパスに移転し、「ダブルディグリープログラム」を開始。5年間で昭和女子大学とテンプル大学のふたつの大学の学位を取得できる。

 1988年には海外キャンパスとしてアメリカのボストンに、ボストン昭和女子大学(昭和ボストン)を開校して、これまでに1万3000名超の学生が学んでいる。

 5年生と6年生には昭和ボストンへのフレンドシップ・ツアーのチャンスがある。また、キャンパス内にあるブリティッシュ・スクール・イン・トウキョウ昭和との交流やテンプル大学に在籍する学生との交流も常時行われている。

 また、中山先生は「幼い頃から英語に慣れ親しむことが大切です」と語り、小学校の英語教育にスムーズに入れるように、0歳児から受け入れる附属昭和子ども園年長組の子どもたちに英語の時間を設けている。年間20回程度だが、人見先生とジャッキー先生が訪れ、数字や色を使って英語に触れる体験をさせたり、焼き芋会やハロウィンなどの行事に一緒に参加したりする。

「安心して英語をアウトプットできるのも、先生方やお友だちが素直に受けとめ、必要があれば少し直してくれるという安心感があるからでしょう。建学の精神『世の光となろう』を継承するスーパーグローバルキャンパスは、みんなでともに輝ける人間を育てます。たくさんの方にぜひこの空気を感じていただきたい」と、中山先生は開かれたキャンパスで人びとの訪れを待っている。

バディと一緒にビーチで大きな貝を探す

フレンドシップツアー低学年の授業(ボストン)

School Data
設立年 1953年
学制 共学(男女比1:6)
系列校 昭和女子大学大学院(共学)、昭和女子大学、昭和女子大学附属昭和高等学校・中学校(女子校)、昭和女子大学附属昭和こども園(共学)
児童数 1学年105名(35名×3クラス)
教員数

39名

授業日 週5日制
学期 2学期制
転入・編入 帰国生入試は随時お問い合わせください
昼食 給食
放課後支援 アフタースクール~19:00(自由遊び/希望者は習いごと)
初年度費用 1,036,800円
進路 系列校進学女子80%、他校進学男子100%
学校説明会・
公開学習見学・進学相談会
公式ホームページでご案内しています。

※上記は2021年5月時点(冊子「スクールダイヤモンド2021年春号」)での情報です。
最新情報は各校のホームページ等でご確認ください。
http://es.swu.ac.jp/

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