教育目標
目あてをさして進む人・まごころを尽くす人・
からだを丈夫にする人
〒154-8533 東京都世田谷区太子堂1-7-57
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最寄駅●三軒茶屋駅(東急田園都市線)より徒歩7分
昭和小学校では掲げる三つの目標の一つに「からだを丈夫にする人」があり、日常の自主活動や遊びのなかで体をきたえることを重視する。同時に、体育の授業では基礎の運動能力の開発を進めていく。
体を使うことからスタート
「4歳~12歳は運動を習得する感覚に優れたゴールデンエイジと言われています。低学年の間はたくさん運動して、体に動作を覚え込ませる。それが、高学年になり球技など運動種目に取り組むときに、仲間の指示や相手の動きに素早く反応する運動能力となります」と、低学年の体育を担当する山口彩先生は言う。1~3年生の体育の授業は楽しいなかで、走る、跳ぶ、投げるなどの基本的な動作をさまざまな形で習得する。できることでより楽しくなり、体がきたえられていく。山口先生は子どもたちが運動したい気持ちになって、できる楽しさを感じるようにと、常に授業に工夫を重ねる。
1年生の体育の授業を体育室で見学した。
まず準備運動として、足首、アキレス腱、肩回しを行う。次に山口先生のタンバリンを打つリズムに合わせてのジャンプ。子どもたちは、元気よく手足を動かしながら次々と動作を変化させていく。と思う間に着地したポーズのままバランスを取りながら10秒間静止。メリハリの利いた一連の動きの後に気持ちの集中を図る工夫がされている。
この日の授業はタグ鬼ごっこ。マジックテープのベルトを腰に巻いて、その両脇に付けたタグを取り合う。フロアいっぱいに広がって駆け回ったり、1対1で取り合ったり、3人組が肩に手をおいて縦につながり、1人の鬼から逃げ回ったりとバリエーション豊富だ。2人1組で追いかけ方や逃げ方を練習する時は「奪う人は相手を引き寄せるように回り込む」「取られないように身体をひねってひらりとかわす」などと山口先生の声が響く。
整列して「こんにちは」で始まった授業は「ありがとうございました」で終わる。またたく間に過ぎる45分間。子どもたちの表情に満足感があふれる。
印象的だったのは、授業中言葉で伝え合う場面が多いことだ。準備運動でもタグ鬼ごっこの練習でも、子どもたちは先生の言葉を受け止めて動作に反映しようと懸命だ。動作を覚えると同時に「引き寄せる」「かわす」といった難しい表現も覚えていく。
タグ鬼ごっこの4チーム対抗戦は向かい合って「よろしくお願いします」と一礼して始まる。ゲーム中にぶつかったら向き合ってごめんなさいと謝る。勝ったチームに、負けたチームは拍手を送ってたたえる。
「コミュニケーションをとることでお互いが気持ちよく過ごせます。チームワークをつくるためにも、勝負を引きずらないためにも、そして勝因・敗因を次に生かすためにも言葉は大切です」と山口先生。
一方で、山口先生自身は言葉でリードし過ぎないように気をつけているという。指導者がやって見せたり言ってきかせるより、じょうずな子どもが見本を見せたり、互いに知恵をしぼってやり方を考えたほうが全体のスキルアップにつながる。繰り返し練習しなければ体はなかなか覚えない。そのため、種目やゲームに変化をつけながら一つ、また一つと体の使い方を習得していくという。
体づくりの5つの柱
学校生活で実践する「体づくりの5つの柱」は、目の体操、富士登山マラソン、登山、軽食、給食の5項目。
目の体操は朝の時間に行う。授業に入る前の精神集中も兼ねた心身の準備の時間になっている。入学当初の1年生にとってはペアを組んで教えてくれる6年生との絆を深める楽しい時間でもある。
富士登山マラソンは、グラウンド1周400mを毎朝ランニングして、1年間で256㎞を完走(1・2年生は2年間で達成)するもの。この距離は東京・三軒茶屋の昭和小学校から富士山頂までを往復する距離だ。朝の時間が始まる前に自主的に行う。
励まし合って距離を伸ばすためにクラスごとにまとまって行う場合が多いが、スピードも周回数も自由。日によって走らなくても、1年間かけて目標が達成できればよい。教室のマラソンボードに自分で走った分だけシールを貼っていく。低学年は頑張りすぎないように担任が声をかけて見守る。
登山は、日々培った体力を発揮する目標となるものだ。春の遠足で3年生は高尾山、4年生は城山、5年生は陣馬山、6年生は御岳山から日の出山へ回って下山する。東京近郊の山で、学年が上がるごとに難易度を高めていく。
軽食は20分休みの時間に、家から持参した軽食を取ってもよいというもので、通学時間や起床時間の影響で中間に栄養を摂る必要がある子どものことを考えて取り入れられている。食べる食べないの選択は家庭の方針を尊重しているが、お菓子類は禁じている。
給食は自校給食制をとっており、栄養に配慮した出来立ての食事が提供されている。主食は残せるが、おかずは残さないのがきまりだ。1・2年生のなかには苦戦する子もいるが、4年生になるころには好き嫌いは少なくなるという。
ダンスクラブ活動
昼休み、視聴覚室を覗くとダンスクラブが自主練習をしていた。ミュージカルナンバーを弾ける笑顔で踊る姿は圧巻だ。大学では舞踊が主専攻だったという山口先生が指導している。
「小学生ならだれでもできる、全身を大きく使った動きだけで振付をしています。『大切なのは見ている人に自分の気持ちを伝えることよ』と教えますが、のびのびとやってくれればいいのです」(山口先生)。
低学年の間に動作や運動器具の操作を習得しておくことで、高学年での体育の授業やクラブ活動の選択肢も広がり、楽しさも倍増する。
遊びのなかで
休み時間や放課後は、ドッジボール、大型遊具、サッカー、なわ跳びなど、多くの児童が校庭で遊ぶ。とくにドッジボールは球技大会(4年生以上参加)が行われるので盛んだ。低学年のうちは当たっても痛くない素材のものを使い、ボールへの恐怖を感じずに思う存分遊ぶ。
また、校庭に設置された大型遊具では、大滑り台の上から斜面を歩いて下る遊びを繰り返しているうちに、下方へ足を踏み出す動作に慣れ、登山の下りが怖くなくなる。体を逆さにする、前転する、前傾姿勢になるなどたくさんある未経験の動作も、「怖さを感じる以前に、運動する楽しさとして経験させたい」と山口先生は考える。
「子どもたちはちょっとレベルを上げたことに喜んで挑戦します。常に少し上を目指して意欲を引き出し、楽しい体育の授業やクラブ活動になるように心がけています」。
行事をとおして
春の運動会は、全員が主役だ。1学年3クラスを1~6年縦割りの3チームでの対抗戦で行う。5・6年生全員参加の対抗リレー、本格的な応援合戦など白熱の競技や演技が展開される。1年生と6年生がペアを組むゲームは、目の体操でペアになった6年生におんぶされて走った後、布地のトンネルを1年生がくぐり抜け、最後は手をつないでゴールするもので、1年生と6年生の心に刻まれる伝統ある競技だ。附属こども園の年長クラスの園児たちも招待されて5年生と組んで競技に参加し、翌春の1年生と6年生の絆をつくる。
宿泊行事も丈夫な体づくりのステップだ。3年生と6年生、4年生と5年生はそれぞれ合同で神奈川県・足柄の東明学林に宿泊し、田植えや茶摘みなどの田園体験をする。4・5年生合同の「海の学校」は、千葉県・館山の望秀海浜学寮に宿泊して、海で泳ぎ、浜辺の散策を楽しむ。また、6年生は修学旅行で北海道・ニセコに行き、イワオヌプリ(標高1116m)登山や尻別川ラフティングを楽しむ。
高学年になると活動や行事も本格化するが、平常の遊びや自主活動において楽しみながら力をつけることは変わりない。たとえば遠泳を最終目標とする水泳では、授業で25mプールを周回する練習を行い、肩に「正」が3個書けたら、15回周回達成となり合格というように、目標をひとつずつ達成する。こうした取り組みを積み重ねることによって、登山、遠泳もほぼ全員が達成する。
設立年 | 1953年 |
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学制 | 共学(男女比1:6) |
系列校 | 昭和女子大学大学院(共学)、昭和女子大学、昭和女子大学附属昭和高等学校・中学校(女子校)、昭和女子大学附属昭和こども園(共学) |
児童数 | 1学年105名(35名×3クラス) |
教員数 | 39名 |
授業日 | 週5日制 |
学期 | 2学期制 |
昼食 | 給食 |
初年度費用 | 1,036,800円 |
進路 | 系列校進学女子80%、他校進学男子100% |
学校説明会・ 公開学習見学・進学相談会 | 公式ホームページでご案内しています。 |
※上記は2020年5月時点(冊子「スクールダイヤモンド2020年春号」)での情報です。
最新情報は各校のホームページ等でご確認ください。