国際教育（語学的教養を通じて国際性を強化）の核である英語教育は、成城学園英語一貫教育プログラムに基づいて行われている。1年生から日本人専任教員と外国人講師とのティームティーチング授業で、英語を英語のまま理解する指導だ。英語授業専用の「英語のへや」があり、クラスを２つに分けたり、大小のグループをつくったりと、さまざまな形式で授業が行われる。

　理数系教育（数学的教養を通じて論理的な思考力を強化）は、「かんさつの森」など恵まれた環境を生かし「自然と親しむ教育」を基本に、観察に基づいて自分なりの考えを持ち、筋道を立てて相手に伝える力を付ける。こうした論理的な思考力はすべての教科に共通する。

　情操・教養教育（芸術的教養を通じて人間性を強化）は、「文学」「劇」「映像」「舞踊」「遊び」「散歩」などの独自の教科を展開してきた実績がある。また、美術（図工）は、開校時から、絵・彫塑・工芸の３つの分野で美術教育を行っている。

「3分野の専門の先生が授業を行います。しつらえの異なるそれぞれのへやで、子どもたちは創意工夫をこらして作品づくりに取り組みます。子どもたち全員が芸術に親しみ、個性を発揮して成果を発表してくれます」（渡辺校長）。

　成城学園では教員から子どもへの一方通行ではなく、三者は共に学び合い、成長する関係にあるという子ども、保護者、教員の「三位一体の教育」を提唱している。

「学校の内外、地域、また社会とのかかわりのなかで教育を考えています。園児から大学生・大学院生まで、一人の人間の成長を見守ることができるワンキャンパスには『つながり』がタテヨコにあります。そのなかで子どもたちは将来どんな自分になりたいかをつかみ取っていきます。これから初等学校への入学をお考えになる保護者の方も、ぜひ学校をご覧になって、成城学園の教育への理解を深めていただければと思います」と渡辺校長は言う。