教育目標
正直なよい子の育成
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「心」の教育を土台に、理数、英語、プログラミングを強化。さらに、
これからの時代に必要な力とは
子どもたち自身の内から湧いてくる学びへの欲求に応える「探究」教育について、細水保宏校長が語る。
「算数の明星」
七十年の歴史をもつ明星の教育は、体験教育と心の教育を受け継ぎながら、新しく必要な学びを取り込んでいきます。この三年間、算数教育をベースに子どもたちの「できない」「わからない」を残さず、自分の「できる力」に自信をもって六年間を過ごせるように注力しました。その結果「算数の明星」と言われるようになりました。
授業時数の多い算数で、子どもの捉えかたや対処の仕方を教員全体で研修したことで、他の教科に対する授業力も大きくアップしてきました。
例えば九九ができないからドリルをやりなさいと言うのはよい方法ではありません。できないことをやらされる子どもは、ドリルも九九も算数もきらいになってしまいかねません。「二の段はできるよね」とできる段をほめてから、つまずく箇所だけ毎日繰り返し練習させて、できる自信をつけます。どの教科でも、また生活面でも、子どもが困っていることを見つけ、できるように手助けをするのが教員の役割だからです。
また、九九の暗記のようなスキルは、小学校で理屈抜きに手に入れておかなくてはならないものです。そのためには、覚えたらおもしろい、できたら楽しいという経験を重ねること。そうすると学ぶことが楽しくなります。国語と算数は小学校教育の基礎の基礎ですが、国語の漢字、算数の計算は毎日練習しないと身に付かないものです。宿題にしてやらされるより、子どもが「家で勉強した」と見せにきたら先生は「おー、すごいね」と感心する、そんな関係が子どもの自発的なやる気を伸ばすのです。そのため、ご家庭とも協力して成長を見守りたいと考えています。
探究する心と力を育む
これからの時代はAI(人工知能)の発達やビッグデータの蓄積がますます進み、急激な変化が起こるでしょう。正解のない時代で自分の未来像が想定しにくい今、人生をどう生きるか、社会に役立つためには何ができるか、未知の状況にどう対応するか、個々の人間の「探究力」が求められます。
小学校ではすでに問題発見力、問題解決力、追究力を育成する教育が行われています。子どもの好奇心はいたるところで発揮されます。何だろう、なぜだろうと心動かされることから、個々に、あるいはみんなで、探究が始まります。
教科の授業だけではなく、くぬぎの時間(総合的な学習の時間)でもふとしたきっかけで子どもたちは好奇心をもち、探究を始めます。教員はそうした一人ひとりの探究の芽を見出し、サポートします。
あるとき、私のところへ大きな松ぼっくりを持ってきてくれた一年生がいました。「どうしてこれを持ってきてくれたの?」と訊ねたところ「校長先生の笑顔が見たいから」といううれしい返事をくれました。
私はリモートの朝会で、このエピソードを紹介しました。笑顔が見たいからと言ってくれたやさしさがうれしかったこと、松ぼっくりを名刺や教科書と並べて比較して、それがとても大きいこと、根本のアップ画像を見せてマツ笠はフィボナッチ数列という決まった規則性をもっていることを話しました。
後日、子どもたちから朝会の反応が届きました。校長先生、つまり私の笑顔を描いた絵がたくさんと、アップ画像からマツの木の種類を特定できたと報告してくれました。ともに一年生です。ひとつの大きな松ぼっくりから、絵を描く、大きさを想像する、調べるといった行動が起こりました。こうした小さなことが探究心の芽なのです。
先生たちの高い授業力とチーム力
「小学校の教員は子どもの主治医になること」というのが私の持論です。九九ができていないとなれば、どの段ができないかを明確にして薬を「処方」するのが主治医の役割です。
子どもたちみんなの主治医であるためには、教員全員が協力するチームでなくてはなりません。そのために、まず教育手法を共有しました。全教員を対象に、算数の校内研究会を実施しました。公開授業や研究成果を外部へ発信するのは、取り組みを教育界全体で共有して研究を進めるためです。
明星小学校では英語、理科(三年生から)、音楽、図工、体育のほか、高学年の国語、算数、社会の授業は専科制をとっています。それだけではなく、教員の個性を、子どもたちと接するなかで生かしています。それぞれの教員の持ち味を発揮し合うことで、子どもたちはたくさんの優れた指導が受けられます。これが、教員のチーム力です。この子はここがわからなくて困っているとわかれば、その対策を他の先生にも相談する。ベテランの知見と若手の情熱、どちらも必要です。
チーム力は保護者の方と学校の間でも必要です。もっともわかりやすい例が「待つ」ことです。子どもが誤った解答を出した場合、正解を教えて書き直すことは簡単ですが、理解できたことになりません。それはみなさんご存じです。子どもが自ら考えを巡らせるプロセスが重要ですから、「どうしてそう思ったの」と訊ねて、考えるのを待ちます。ご家庭でもできるだけ「待つ」ことをお願いしています。
授業では、一人の子どもがよいアイデアを出したときも、わからなくて困ったときも、周りの子どもたちが応援して、全体の力がアップすることが多々あります。
明星小学校の教員の授業力は、子どもたち、他の教員たち、そして保護者の方々の理解と応援によって維持されています。
「賢さ」と「豊かさ」
校長就任四年目を迎えて、これからの子どもにとって必要な力は、「賢さ」と「豊かさ」に裏づけられた「探究心」だと考えています。この三年間、理数・英語の強化や、先進的プログラミング教育を推し進めてきたのは、明星伝統の「心」を育てる人間教育に、今の社会に必要とされる豊かな資質と能力をプラスしたいからです。生きるうえで、働くうえで求められる知識や技能、未知の状況にも対応できる思考力・判断力・表現力、そして身に付けた学びを人生や社会に生かす人間性です。
「スカッとさわやかに」は、私が初めて教師になったときのクラス目標です。子どもたちの顔や目を見ていると、心身の内面が見えるように思います。何かにチャレンジしているとき、何かを探っているときには、とてもさわやかないい表情です。校内にはなわとび検定や英語の物語暗唱コンテストなど、興味をもって取り組み、達成感でスカッとできるイベントやしかけがたくさんあります。学校をさわやかな心地よい風と空気で満たしたいという願いです。
漢検は全員、数検、英検は希望すれば校内で受験できますが、そこで合格や進級できなくてくやしい経験をすることもよいのではないかと私は思います。
三年生のくぬぎの時間でケーキ屋さんを研究テーマにしたときのことです。子どもたちは新しいケーキづくりのアイデアを町のケーキ屋さんに持ち込み、期間限定で販売されました。私は、人生や社会に生かそうとする学びに向かう力を、三年生でもすでにもっていることに驚かされました。もしこれが五年生だったら、別のアプローチからケーキ屋さん研究に取り組んだことでしょう。自分で考えて行動するおもしろさ、達成する楽しさは多種多様です。
小学校で得る多くの体験は、中等教育に進んだ先で生きていきます。子どもたちが探究力を発揮していくうちに、STEM(科学・技術・工学・数学)の領域に進路を得たり、SDGs(持続可能な開発目標)のいずれかの目標に関わっていくというステップが期待できます。
小学校の豊かな環境で育んだ豊かな心と、これからの世界で必要な知力をもった子どもたちは、自分の思う道を切り開いてくれることでしょう。
設立年 | 1950年 |
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学制 | 共学(男女比1:1) |
系列校 | 明星大学、高等学校、中学校、幼稚園 |
児童数 | 1学年70~115名(23~38名×3クラス) |
授業日 | 週5日制 |
学期 | 2学期制 |
転入・編入 | 新2~新5年生(帰国児童は随時) |
昼食 | お弁当、あるいは注文弁当 |
放課後支援 | 明星っ子クラブ~18時 |
初年度費用 | 920,000円 |
進路 | 系列校進学60~70% |
学校説明会、体験パーク、 | 日時については明星小学校ホームページでお知らせします |
※上記は2021年5月時点(冊子「スクールダイヤモンド2021年春号」)での情報です。
最新情報は各校のホームページ等でご確認ください。
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