教育目標
「きれいな心」「よい頭」「つよい体」
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英語、総合学習、道徳の時間にみる
自学自律に向けた玉川学園の教育
創立90周年を迎える玉川学園は、常に新しい取り組みをしながら玉川学園の教育を推進する。
創立者が1929年に立てた教育理念「12の教育信条」は今なお実践の道標であり、小学部でも国際化やITあるいは社会の変化に順応して、BLESクラス、延長教育プログラム、アクティブな道徳の時間など初等教育の先端を走っている。
着実に成果をあげるBLESクラス
日本語と英語で授業を行うBLES(ブレス)クラスは、国際社会において責任ある行動をとることができる人材の基礎を育てることを使命に、2016年度からスタートした。その初年度生がこの春に4年生になる。2年生の修了時点でTOEFLのプライマリーのステップワンのテストを行い、リーディングとリスニングの習熟度を測った。まったく英語の予備学習なく入学した子供たちも多かったのだが、2017年、2018年の2回の結果、リスニングは8割、リーディングは5割以上がCEFR(セファール)基準のA2(※)に達していた。
初年度生は6年生になると、2021年度からはMYP(Middle Years Programme)に移行する。これは、もともとのIBのMYPスタート年齢に合わせるものだ。
「玉川学園は2007年からIBを導入し、2009年にIB認定校になりましたので、小学部がIBのPYP(Primary YearsProgramme)を始めることも可能でした。それをせずに、バイリンガルのBLESクラスを開設したのは、玉川学園小学部として大事なことをしっかり学んで、上に進んでもらうためです」と後藤健教育部長は言う。
玉川学園の独自教育を守り、文部科学省の定める教育課程を全うして、なおかつIBカリキュラムにつながる方法として生まれたBLESクラスはしっかり軌道に乗った。
※CEFR(Common European Framework of Reference for Languagesの略称)とは、語学のコミュニケーション能力別のレベルを示す国際標準規格。A2は、日常生活での身近なことがらについて簡単な会話ができるレベル。
一般クラスも週5時間の英語授業
一般クラスの英語の授業は2019年度から、週5時間になる。カリキュラムの都合上、1・2年生は他の教科学習を英語で行い、英語科の時間数にプラスすることで5時間分に相当させる。1・2年生の英語授業は日本人英語専科教員とELF(English as a Lingua Franca)教員2人によって行われる。また2年生はこれまで通りイングリッシュランチタイムで英語専科教員らと楽しく英語で会話する。
3年生以上は日本人の教員が付かない週5時間授業になる。クラスサイズを分割するなど行き届いた指導を予定している。
外国籍の教員が身近にいて、小学部全体の活動はもちろん音楽や体育のサポートに入るなど英語環境がすっかり当たり前になっている。
「玉川学園は世界で使われている言葉、とくに英語を母語としない人たちの共通語として英語を重要視しています。それが玉川大学におけるELFセンターの開設であり、ELFプログラムの教員の国籍も多彩です。世界に英語ネイティブの人口が多いわけではなく、共通国際語だから英語が必要。ですから日本人の英語で構わないと考えています。コミュニケーションの道具としての言葉を身に付けて、それを駆使して、世界の中で活躍できる玉川っ子に育っていってくれることを願っています」と後藤部長。
外国籍教員が全教員の3分の1を超える人数に及び、アメリカ、カナダ、ニュージーランド、フィリピン等国籍も多様で、小学部全体の英語教育を構想するBLESのコーディネーターは、英日で英語教師経験があり日本語検定一級を持つ知日家、と人材確保も安定してきた。
後藤部長は玉川学園の教育を理解し、共感してもらうことに腐心する一方で、外国人に必要な環境づくりにも心を配る。小学部全体がまさに国際社会になっているようだ。
アクティブな道徳の授業
英語授業が加わり、小学部の授業時間数は増える。一般クラスも1・2年生は週30時間、3年生以上は週34時間となり、6限目、7限目が設定されるが、子供たちにとって無理な負担ではない。反面、ブレイクタイムを取ったりと子供たちの様子を見ながら工夫もする。BLESクラスでは7限目、8限目が定着しているし、延長教育プログラムの利用状況を見てもそれは明らかだ。
小学部の延長教育プログラムは、玉川学園の教育方針にのっとって校内で行い、外部機関の利用はない。自学自習のサポート及び、多彩な講座が選択でき、生活指導も含んでいるので、行動に注意もする。前例はないが、プログラムに取り組む積極的姿勢がない場合は受け入れを断ることも辞さない。
12の教育信条の第1にあげられた「全人教育」は豊かな人間性を育む教育活動として、礼拝、音楽、美術、労作、自由研究、体育をその重点としている。開学以来の必須科目である礼拝の時間を週1回(45分)、道徳の時間も週1回ある。
「本学園はミッション系の学校ではありませんが、礼拝の時間に聖書や講話を通して感じ取るものが、玉川学園の情操教育のベースです。講話ではいろいろな人が話をします。今週は体育のアメリカ人教員が、夏休みを利用して行ったシエラレオネでのボランティア体験について話しました」と後藤部長は言う。日本語の通訳を入れながらではあるが、講話者の英語を聴き取るよい機会にもなったという。
道徳の時間は、読み物教材を使用した授業も行うが、TAP(タップ=玉川アドベンチャープログラム)を活用している。TAPはアドベンチャー教育の哲学手法を取り入れて、玉川の全人教育と統合した体験学習プログラムだ。そこには準備、工夫、忍耐、失敗、振り返りなど、子供たちが計画力、調整力、協調性を発揮する機会が詰まっている。専門のファシリテーターの指導で進行し、教員もその研修を受けて、取り組んでいる。
「学びの技」の強化
小学部には「学びの技」という授業がある。マトリックス・チャート・グラフなどを使って分類・整理の方法を学ぶ時間で、これまでは年間5時間が使われていた。この学びの技の時間を、2019年度から、3年生以上は総合的な学習の時間に組み込み週2回を当て、情報の時間を統合する。
情報の時間はコンピュータの使い方、情報リテラシー(情報収集・処理等)、プログラミングの内容を年間35週行ってきたが、これを、学問の手法となる〝技〟の範囲に入れて、分類・整理、現状分析を行い、さらに課題・目的を明確にしていく考える力を養う。コンピュータやインターネットばかりではなく、児童向け総合百科事典『ポプラディア』の活用など紙ベースの手法もきちんと学ぶ。
学びの技の時間はじつは自由研究の時間につながっている。5年生になると子供たちは様々な分野から自分の興味・関心に沿ってテーマを決めて自由研究を進める。
学びの技の授業は、9年生では年間通して実施し、10月にはポスターセッションが行われ、小学部からも優れた研究が参加する。
英語にせよ総合的な学習にせよ、学びは小学部で完結することなく、高等教育課程へとつながっているのも玉川学園の大きな特徴だ。
設立年 | 1929年 |
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学制 | 共学(男子4:女子6) |
系列校 | 玉川学園(幼稚部、中学部・高等部)、玉川大学・大学院 |
児童数 | 1学年約140名 |
教職員数 | 72名(2018年度現在) |
学期 | 1〜4年生:3学期制 5・6年生:2学期制 |
昼食 | お弁当 |
初年度費用 (2018年度) | 一般クラス:1,340,000円 BLESクラス:1,701,000円 |
進路 | 系列校進学約90% |
学校見学 | 月・水・金 10:30~11:30(要予約) |
玉川学園展 | 2月23日(土)・24日(日)*入試相談実施 |
※上記は2019年1月時点(冊子「スクールダイヤモンド2019年新春号」)での情報です。
最新情報は各校のホームページ等でご確認ください。