相模女子大学小学部

 スクールコンセプト  
毎日会いたい友達がいる 毎日受けたい授業がある

 目指す子ども像  
自分からできる子

〒252-0383 神奈川県相模原市南区文京 2-1-1
TEL : 042-742-1444
http://www.www.sagami-wu.ac.jp/sho/
最寄駅●相模大野駅(小田急線)北口より徒歩10分

プログラミングと英語のスキルを通して自分から学ぼうとする意欲をサポート
情報化が進む世界に子どもたちを送り出す

男女比は4対6。1クラス28人の少人数教育を守り、世界の流れと歩みを同じくする国際的な教育を進める。

茶道の授業

川原田康文校長

世界に通用する実力をつける

 広いキャンパスは緑が多く、季節ごとに花をつける木立が美しい。小学部の校庭にはさまざまな樹木や草花が植えられ、池やビオトープ周辺には小さな生き物がいる。

「自然豊かなキャンパスで子どもたちは駆けまわり、学び、数多くの経験をします。時代は、教員が教えるのではなく、子どもたち自身が学ぶのを、教員がサポートをする方向へ動いています。これからの世界を生き抜く力を育てる小学部の教育は、時代の変化とともに新しい取り組みをしながら進んでいます。」と、校長の川原田康文先生は語る。

 小学部では、「つなぐ手」「プログラミング」「英語」「ICT」「探究」という特色ある5つの学習を組み込み、相乗的なカリキュラムで子どもたちの学びを進めている。

「学びをさらに高めるには、学ぶ環境が重要となります。本学園は、自然環境が豊かであり、四季折々の草花や生き物、そして、総合学園ならではの交流が豊富です。さまざまな経験を通して子どもたちは育っています。2017年からプログラミング教育を導入しました。近年、STREAM(Science TechnologyEngineering Arts Mathematics)が話題になっていますが、本校のプログラミング教育は、STEAMから、Robotics(ロボティクス)を加えたSTREAMへと深化させ、子どもたちの未来につながる学習としていきたいと考えて、カリキュラムを作成しています。Arts(アーツ)には、科学技術社会で生きていくための様々な創造力が必要であるという意味が込められているので、子どもたちには、自分のやりたいことを明確に持ち、自分なりの工夫で問題を解決する力をつけていくことが重要視されます。」

 プログラミングの授業では考え方を学ぶ。やってみてうまくいかない場合は、戻って考え直して、一つずつ解決していく。考え方と共に学習姿勢も育まれて行く。

 タブレット端末を一人1台使うのは4年生からだが、1年生でも、レゴのキットでプログラミングの学習を行っている。ある日の授業では、机の端から端までキットを走らせてみる。スピードが速いか遅いかでたどり着くまでの時間が変わる。この学習は、後に学習する算数や数学、理科で学ぶことを経験しておくところにプログラミングの教育の意味があるのだ。

 一方で「つなぐ手」の時間では、心と心をつなぐコミュニケーション力を学ぶ学習、茶道・日本舞踊・落語などの伝統文化を通して礼節や所作、心遣いを学ぶ学習、職人の方や相模女子大学栄養科学科の先生とともに学ぶ和食や栄養の学習など、将来にわたって生かされる学習が行われる。

英語の授業

英語を使う場面をつくる

 川原田先生は、公立中学校や神奈川県の教育委員会、横浜国立大学などを経て、2010年から7年間、京都の私立小学校に招かれた経験がある。その時に子どもたちと一緒にロボットの国際競技会に参加して、大きな影響を受け、STREAM教育を進めたいと考える要因にもなった。

「国際競技会に出場したことがきっかけで、子どもによっては留学したいとか英語ができるようになりたいといった、ロボット以外の目標ができます。それが意欲に結び付き、学力もあがります。また、国際的な経験で視野が広くなり、世界に目を向けるようになります。」

 小学部の子どもたちの中にも、ワールドロボットサミットや宇宙エレベーターロボット競技会全国大会などに参加して入賞するケースが増え始めたところでコロナ禍となったのは残念だが、積極的に取り組む姿勢はますます強くなっている。

 コンピュータが使えればインターネットで世界とつながる。コンピュータ用語も含め共通語が英語という事情は変わりそうもない。川原田先生はなんと自身も毎日25分間、海外の人とのオンライン会話学習を9年間も続けている。

 2021年度から、英語は全学年で1クラス28人を2人の教員が担当し、2つに分けて習熟度別授業を行うこともある体制を取っている。高学年はフィリピンの英語講師と1対1で25分のオンライン会話学習を年間20回実施している。英会話サイトが利用できることを知って、親子でさらに学習する家庭も出てきたという。

 4月にはインドネシアの姉妹校とインターネットを使ってロボットのワークショップと競技会を行った。低学年向けの講座は、川原田先生のワークショップ。高学年向けの講座は、インドネシアの先生が中心となり、ワークショップを3日間行い、4日目にオンライン競技会が実施された。使用言語はすべて英語という企画だ。すべての英語を聞きとれなくても、テーマはロボットだからおおよそのことはわかっている。子どもたちが英語を使いたくなる機会になればいいと、川原田先生は考えている。小学部には外国籍や日本語が母語ではない保護者の子どもたちもいる。「多様な文化を背景にした子どもたちが学んでいる小学部は、とても発展性がある学校であると考えます。」

 全校の英語スピーチコンテストでは、2年生以上の各学年から予選で選ばれた代表が相模女子大学グリーンホールで堂々と発表する。4年生は全員が福島ブリティッシュヒルズで2泊3日の異文化体験をするなど、英語体験の機会はさまざまに工夫されている。

探究の発表会

1年間1テーマで取り組む「探究の時間」

 AIなどの飛躍的な進歩は世界中に変化をもたらす。そんな世界の中では、自分のやりたいことを明確に持って、個性を発揮できる学力を一人ひとりが自分のものにする必要がある。

 新しくカリキュラムに加えられた「探究の時間」は、「価値ある活動を見いだし、アクティブに物事を探究する行動力」を育てるプログラムだ。高学年になると、自分で研究テーマを決めて1年間かけて取り組み、発表する。毎週2時間を使って、各自で計画的に学習する。地球の起源、西洋と日本のお城はどっちが強いか、アニメーション等々テーマは多彩。各学期の最後の1週間は「探究週間」としてさらに探究活動に徹底的に取り組み、二学期末には活動成果を中間発表して友だちと意見交換。三学期の探究週間で、最終的に研究をまとめて発表する。

 探究活動において子どもたちは調べ学習から実験、調査、アンケートなど多彩な学習を活用してまとめていく。根本に置かれているのは、自分の学びをつくりだす創造性であり、人と人とのつながりだ。やり抜く喜びを知ることは、将来の道や好きなことに力を注ぐ支えになるにちがいない。

造形展

タブレットを使った授業

オンライン造形展も自分たちで

 毎年、2月11日に開催している造形展を2020年度は開催できなかった。相模女子大学小学部の造形展は1~6年生の図工の時間に製作した作品やクラブ活動の成果発表など、校舎全体を使った子どもたちにとっても大きな学校行事である。例年、造形展では多くのお客様が展示教室を廻ることから、例年通りの開催を断念した。しかしながら、代替案としてオンライン造形展の開催に踏み切った。

 低学年はふだんの造形展と同じような展示をし、それを教員が撮影。一人ひとりの作品や、クラス・学年の作品などが動画で鑑賞できるようになっている。一方で、タブレット端末を所有している4~6年生は、自分が製作した作品を自分で撮影し、編集してムービーに仕上げた。それには、がんばったことや材料用具、作品に対する思いなどが盛り込まれている。

 また、5年生は例年、この造形展の中で低学年に向けた工作ワークショップを開催していて、造形展の人気コーナーだった。開催できない今回は、一人ひとりが、低学年に向けた「かんたん工作ムービー」を製作。低学年の誰もが楽しめる工作をめざし、説明の仕方や見せ方を工夫して編集した。

「図画工作の授業は、『作りたい』を育てることをめざしています。自分が感じたことや思うことを自由にいきいきと自信をもって表現します。作品にアイデアや工夫が詰まっているようにオンライン展示する時にも、どのように見せようか考えたことと思います。この考え方は、どの教科の学習でも取り入れていることです。」と川原田先生は言う。

School Data
創立年 1951年
学制 共学(男女比4:6)
系列校 相模女子大学大学院、相模女子大学、相模女子大学短期大学部、相模女子大学中学部・高等部、相模女子大学幼稚部(認定子ども園)
児童数 1学年約80名(28名×3クラス)
授業日・学期

週5日制・3学期制

転入・編入 HPでご案内します
昼食 給食(火・水・木は希望者給食)
放課後支援 放課後クラブを敷地内に併設
初年度費用 1,050,400円(2021年度)
進路 男子は外部中学校受験
学校説明会 5月13日(木)、6月13日(日)、7月29日(木)、9月3日(金)、9月19日(日)
オープンスクール 7月24日(土) 詳細は学校HPをごらんください。

※上記は2021年5月時点(冊子「スクールダイヤモンド2021年春号」)での情報です。
最新情報は各校のホームページ等でご確認ください。

http://www.www.sagami-wu.ac.jp/sho/

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