利用しやすい放課後サポート

　広いキャンパスに、明るく十分なスペースの校舎。2020年の休校や分散登校の最中でも、校内の無線LANシステムや手元が大きく映る書画カメラなど校舎の設備備品を最大限に使って、子どもたちの生活のペースを守りつつ授業が遅れることもなく乗り切れた。

　もともと、藤沢キャンパスで過ごす時間、そこで経験するすべてが学びとなっている。特徴的なひとつに、毎日の授業終了後から16時まで「遊学タイム」がある。

　子どもたちが「今日はこれをやりたい」と思い立って、好きな取り組みを選び、グラウンドや体育館、校舎内で過ごす時間で、先生たちが安全を見守りながら、陸上、一輪車、パソコン、書道、ピアノ、英語のようにもっと知りたい、練習したいというものや、ヨガ、バスケット、卓球、バドミントン、将棋、囲碁など先生の趣味で磨いた能力を提供しているものもある。

　常設されている「なんでも質問コーナー」は、授業でわからなかった部分を聞きに行けるスペース。先生や同じキャンパスの日本大学生物資源科学部の大学生から親しく指導を受けることができる。

　遊学タイムは、子どもたちが楽しい、おもしろい時間を過ごしているように見えるが、その原点には「自ら学び、自ら考え、自ら道をひらく力」の育成がある。それは日本大学の「自主創造」の理念だ。

　遊学タイムの後に、新たなサポートとして16時からお預かりアフタースクールを、希望者を対象に設けた。学校と提携する専門事業者が運営し、19時には最寄りの六会日大前駅まで送り届ける。

「フルタイムで働く保護者の方々に安心してご利用いただければいいと思います。子どもたちにはこの広いキャンパスの空気をいっぱい吸ってゆたかな時間を過ごしてほしい」と、加藤隆樹校長は言う。

進路を応援する

　藤沢小学校は週6日制で授業時間が多い。月曜から金曜は5時限（低学年）または6時限、土曜は3時限と、授業時数が6年間で文部科学省の標準時数より多い。時間数が多い分ていねいに授業をすすめることができ、学習は先取りして進む。

「小学生にとって、ひとりで勉強に集中することはむずかしく、先生や友達と一緒に勉強するほうが自然です。そのなかで、学習習慣を付け、自分で目標をもって勉強するようになります」と、加藤校長。中・高の生徒や大学生、大学教授まで幅広い人との出会いのあるなかで、興味をもてるテーマを発見したり、目標をもつことができるようになるという。

　2021年の春、一期生が小学校を卒業し、中学校生活に入った。今年は卒業生の7割が同じキャンパスの日本大学藤沢中学校に進学した。

　藤沢高等学校・中学校は、文化・スポーツとも多彩な活動で知られており、卒業生は日本大学のほか有名国公私立大学への進学者が多い一貫校だ。

　入試が実施されたのは2月初め。推薦を受けていても、外部からの受験生と同じ条件で受験する。

「日本大学藤沢中学に合格できる実力を付けたいと思っています。授業に集中し、家庭学習の習慣を付け、遊学タイムを活用して教室の学習に遅れがないようにしていれば、小学校生活だけで合格し、中学校へ進学後も心配ありません。受験勉強をして入学してきた生徒たちにまじって学校生活を送ることができると信じています」。

　加藤校長は、外部へ進学した子どもたちも思いやる。

「外部受験は、子どもたちの望むチャレンジですから、学校は奨励していますし、私個人も応援しています。自分の一番行きたい志望校に合格して、小学校の経験を生かして活躍してほしい。2020年は修学旅行や文化祭が実施できず、6年生らしい思い出をつくれなかったことが残念でしたが、心機一転して羽ばたいてほしいと願っています」とエールを送る。