五感を使って学ぶ

　授業はまず、１年生の時に各教科でノート指導を入念に行い、学力向上に不可欠のスキルである「書く」ことが苦にならないようにする。授業は教科書と併せて独自教材や問題集を活用し、子どもたちが意欲的に学習を進める工夫をしている。

　国語では日記を書く、行事ごとに詩を書くといった書く機会を多く用意し、高学年になると俳句づくりもする。算数では、百玉そろばんやフレームワークスといった形のある教材を用いて、実感しながらおもしろく学ぶ工夫をする。社会では和紙づくりや田植えといったものづくり、工場見学などの体験を重視。理科では実験、観察を通して体験したことから疑問に気づき、問題解決に取り組む。1、2年生では理科の単元に関連する実験や遊びを行う、理科工作の時間も設けている。

　図画工作は、すべての学びに通じる感性、発想力、表現力を磨く教科として重視されている。体育には剣道を取り入れ、精神的成長も大切にしている。

　英語は、小学校英語の専任日本人教員が、英語ネイティブの講師と連携して６年間の英語学習のカリキュラムを立てる。綴り字と発音を相関させて学ぶ教材、フォニックスの活用や、外国人の大学生らが集まるグローバルキャンプの開催などの環境を整え、コミュニケーション力をつけるとともに、中学以降の本格学習に備える英語力を養う。

心を育てる情操教育

　仏教行事の中で知見を広め、日本文化を知ることは豊かな情操を育むばかりではない。常に感謝の心をもち、人を思いやり、他のために尽くそうとする心は、日々の生活の中で、自然に感じとられ、身についていく。

　登校時、下校時には玄関で観音像に手を合わせ、１日を感謝する。月曜日には、釈迦像のある講堂で朝礼を行う。子どもたちは「十の戒」を暗唱し、感謝の気持ちで手を合わせる。

　学校が目標とするのは、①進んで学び高い学力をつける、②心優しく豊かな情操をもつ、③よく考えて、最後までやり抜く、④体をきたえてきびきびと行動する子どもを育てること。育まれた基礎力は将来に活きてくることだろう。

　学校を訪れると気づくのは、いたるところに見られる展示。子どもたちが持ってきた動植物や写真など自然観察の成果を置く観察台、行事をテーマに全校で取り組む「詩のポスト」に集まった作品、毎年作られる力のこもった卒業制作が壁面や廊下を飾っている。