与えられた場所で輝ける女性になる教育を

　関東大震災後、荒廃した社会の再建には女子教育こそが必要であると唱えた川村文子によって創立された川村学園は、時代や社会の変化に合わせながら、女性がそれぞれの場所で自分らしさを発揮できる教育を目指す。「将来に向けて、誇りをもって生き抜く女性に成長するよう導きたい。家庭で家族を支えることも、社会に出て活躍することもあるでしょう。与えられた場所で自分の力を存分に発揮できるよう、さまざまな生きる知恵を身につけてほしい」と村田町子副校長は語る。「感謝の心」を基盤とし、前向きにさまざまなことを吸収することで、未来に輝く女性を育てていくという。

　川村小学校の魅力のひとつとしてあげられるものに、キャンパスを同じくする小・中・高の連携がある。小学校では方面別の「通学班」が40班ほど編成されており、中高生との合同訓練もある。 「電車のトラブルがあったときなどは、中高生が小学生の様子を学校に報告してくれたり、一緒に通学してくれるなど、気にかけてくれています」（村田副校長）。

　また４年生以上の希望者は鶴友会が支援するクラブ活動にも参加。書道、陶芸、民族舞踊のフラダンス、フットサル、水泳などで中高生と一緒に活動する。ほかにも小学校合唱隊・音楽クラブと中・高コーラス部が合同で公演したり、学園の施設、蓼科山荘でのサマーキャンプ（小・中）やスキースクール（小・中・高）など、一貫校ならではの縦のつながりを築く機会が多い。

創立から続く英語教育　英検対策も積極的に実施

「事の始めを大事にする」というのも同校の伝統。誕生会は、生命の誕生を学校全体で祝う創立以来の行事で、道徳教育の一環に位置付けている。誕生月の児童にプレゼントするスケッチブックには、担任からのメッセージが添えられ、「６度いただいたスケッチブックを大切に持っています、という卒業生も少なくありません」（村田副校長）。

　具体的な強化３本柱は、1年生からの英語、温水プールを利用した水泳、タブレットを取り入れた情報教育。なかでも創立から続く英語教育は１年生から週２回の授業を実施、高学年は中学のカリキュラムを先取りする。４年生以上には、年間30回の英検対策の講座を放課後に開催（自由参加）し、積極的に英検取得をフォローする。外部検定は、帰国子女の児童にも、英語初心者の児童にも達成感をもたらすという。