英語・仏語の２か国語を学びダンスで表現力を養う

　同校のカリキュラムの特色として挙げられるのが、１年生からある英語（週２時間）とフランス語（週１時間）の授業。創立以来続く伝統だ。

「世界にはさまざまな国があり異なる言葉や文化があることを、子どものうちから理解する意味でも、英語以外の言葉を学ぶ意義は大きいのです」と山崎校長。

　２つの外国語を学ぶ負担はないのかと心配になるが、児童は相手に合わせて自然に言葉を使い分け、コミュニケーションしているという。

　豊かな表現力を重視するのも学園の特色。作文の授業（週１）や、音楽、図工などに力を入れる。特に60年も前から続くダンスは「身体を使った世界共通の表現」と位置づけられ、個々の自由な動きから全体の作品につくりあげていく。６年生全員のダンスは圧巻で、毎年運動会の呼び物だ。

　学習面では、児童が「なぜ？」と問うところから主体的に考える力を引き出し、基礎基本を定着させる。複数の教員が協力して指導に取り組むチームティーチングを重視しており、２・３年生の書き方（漢字指導）では個別指導、３・４年生の算数は習熟度別少人数指導、５・６年生は確実な学力の定着を図る。

中学受験にも細やかな配慮

　男子児童ほぼ全員と一部の女子児童は中学受験をするので、６年生に対しては下校時間の便宜も図る。学校生活を十分に満喫し、家庭では切り替えて学習に集中してほしいと、中学受験をサポートする配慮だ。

　男子には特別のこともある。全員が親睦ラクビーに参加するのもその一つ。全学年が絆を深めながらフェアプレーの精神を学び、「ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために」行動する。ミサが行われるクリスマスイブには６年生の男子だけが学校に１泊する行事もある。

　こうして育まれたつながりの輪は、卒業しても続き、また保護者にも広がる。学園の保護者で構成する後援会では、年に一度「親睦の集い」を主催。在校生、保護者はもとより多くの卒業生が訪れ、毎年約2000人もの人が来校する。「卒業生にとっては、ここはいつでも帰ってこられる場所」（山崎校長）であり、大きな心の拠り所なのだ。