品川翔英小学校

 教育方針  

知性が世界を広げる、感性が希望を育てる、
健全な体で未来へ踏み出す

〒140-0015 東京都品川区西大井1-6-13
Tel:03-3774-1157
https://www.shinagawa-shouei.ac.jp/primaryschool/

 

最寄駅●大井町駅(東急大井町線、JR京浜東北線、臨海線)よりスクールバス(5分)、徒歩(10分)/西大井駅(JR総武線快速・横須賀線・湘南新宿ライン・上野東京ライン)より徒歩(5分)

知性と、感性と、意欲を育む6年間を経て世界へ飛翔する目標に向かい
自分で選んだ進路へ子どもたちを送り出す

小野学園小学校から品川翔英小学校へ変わり、中学校・高等学校の共学化によって中学受験にゆとりができたことで全体の成長が進む。

明るい第2体育館

小野時英校長

元気あふれる小・中・高一貫校

 2020年4月に校名変更をして話題を呼んだ品川翔英小学校が、改称3年目を迎えて活気に勢いが増し、改めて注目を集めている。

 なにより、改称と同時に中学校・高等学校を女子校から共学校に学制を変えたことにより学園全体が生まれ変わった。

「品川翔英」が学校法人小野学園の幼稚園・小学校・中学校・高等学校であることは変わらない。学園理事長も小野時英先生であり、小学校と幼稚園の校長、園長をされている。

 昭和初期に家政女学校として創立され、その後、幼稚園、小学校が誕生し、女子中学・高等学校と変遷してきた小野学園は、品川区大井町に90年の歴史を刻んできた。創立者から三代目となる小野先生が、中・高の共学化に踏み切った理由は、内部進学者数の減少にあった。一方で、小学校は5・6年生になると、男子は全員中学受験のために勉強をする。それに影響されて女子も半数以上が中学受験をするようになり、それにふさわしく学力も高くなっていった。

 中学受験のための小学校となっていくことが本意ではなかった小野先生は、中・高の共学化に踏み切って新しい教育を展開することを決断し、校名を「品川翔英」に変更した。品川から英知をもって飛翔するようにと意味を込めた。

 中・高は革新的な教育を展開している。2年目で入学者が激増したのは、志望者の期待を表している。その評価は小学校の受験者数にも影響を及ぼしている。

時間をつくって児童会活動

 

大きな安心の内部進学

 男女とも内部進学ができるようになったことで、子どもたちにも保護者にも余裕が生まれた。小野先生は、学園運営に追われる多忙のなか、小学校長として、子どもたちの小学校生活の充実に注力する。

「小学校の6年間は大きな成長を遂げる時期であり、人間関係をつくっていく場が学校です。たくさんの人と交わる学校生活に意味があり、リモートではできないことです。さまざまな体験を重ねていくうちに、やがて『自分がやるんだ』という気持ちが芽生えれば、学習にも熱が入り学力もあがります」。

 小野先生は中学受験の現実を否定しているわけではなく、「子どもたち全員が希望の中学に入れるように教育する体制をとっています。具体的には、学校のカリキュラムで首都圏模試の偏差値60レベルまで到達することを目標にしていますが、さらなる難関中学へ進学している実績があります。ただ、内部進学できるという安心感は大きい。やる気が出るときが遅れてやってきても間に合うのは、子どもたちにとって良いことだと思います」という。

 地域には代々の卒業生や保護者の住民が多く、小野先生は街で気軽に声を掛けられる。

「品川翔英になって『街に活気が出た』と言う声をいただいて感謝しています。以前から子どもたちを見守ってくださっていますが、良妻賢母教育の女子校のイメージはがらりと変わり、男子生徒が入ったうえに、服装も髪型も自由になったので心配もあったのですが」。

 心強い協力者も得た。初対面から小野先生と意気投合して品川翔英中学校・高等学校に着任した柴田哲彦先生は教育者として高い実績をもち、「世界を見て、新しい教育を実践しよう」と小野先生と話し合っているという。

「第一に校則を設けるのをやめました。タガを外してみれば、生徒たちはちゃんとやるものです。授業に支障も起こらない。21年度の中・高の運動会は富士通スタジアム川崎で開催したのですが、すべてを実施するのは生徒たち。どうなったかというと、進行が遅れ、予定時間がどんどん押されていきました。それでも先生方は手を出さない。私は内心どうなることかと思いながら見ていたのですが、終わってみれば、滞りなく予定をすべて遂行して、運動会は大成功。実行委員の生徒たちの力量に感心しました」。

 21年度の受験生が初年度から倍増し、品川翔英中学校・高等学校の生徒数は800名になった。小野先生は受験生の多さに驚きながらも、教室不足の対策として、中・高の新校舎建設に着手した。23年3月の完成を予定している。

「学校はこうあるべきだという概念を壊し、子どもたちが意志的に活動できる校風がいいほうに働いています。中・高生の自主的な姿勢は小学校にもいい影響を与えてくれるでしょう」。

5年生、理科実験をおえて

2年生の国語の授業

1・2年生の休み時間

休み時間の図書館

学年1クラス、担任二人制

 小学校は1学年に1クラス、40人を原則にしている。35人を超えた学年は二人担任制、50人を超えた学年は2クラスに分けている。

 3年生は41名なので、学級担任は二人。それぞれ専門教科の授業は他学年も担当している。その一人、井田肇先生は、40人クラスのメリットを語る。

「1クラスの人数が多いほうがコミュニティは豊かになります。引っ込み思案な子も気の合う友だちを見つけやすい。活発な子の意見だけでなく、2 番目、3番目の意見が出やすくなり活発な討論になる。友だちと交わる機会が多いことは人間形成に欠かせません」。

 担任が二人いるので、子どもの様子に気づきやすいし、子どものほうも話しやすい。先生同士で相談できるのも利点だ。

「トラブルが生じることも良い機会ととらえています。子どもの話に耳を傾け、当事者同士が話し合う機会をつくります。場合によってはオープンにして、クラス全員で考えることもあります。いろいろな意見を出し合い、真摯に向き合う。こうした過程の場面、場面で、子どもたちはどう対処するかを学び、問題解決能力を育てていきます」。

 学期末に行う面談は、担任二人と保護者で30分間じっくり話し合う。希望があれば専科教員との面談時間も設ける。高学年になると、子どもが参加することもある。常に、子ども、保護者、教員は三位一体で成長を助け、見守る。

 30年勤続の井田先生は「子どもは学校で集団の一員としてがんばっています。干渉し過ぎることはマイナスで、子ども自身でセルフコントロールできるようになるのを待ちます」という。

5年生の情報の授業

6年間、週2時間の英語は中垣内先生とケイティ先生の二人で授業

タブレットも必要だけど鉛筆も大切

 理科の専科教員として着任した鈴木桂(けい)先生は、高学年のクラス担任である。20年2月の新型コロナ感染症流行拡大が起こり、急きょICT環境整備を担うことになったときは、IT企業出身の学園職員と二人で学校のサーバ、グーグルの活用、保護者家庭とのインターネット通信と環境を整備する先頭に立った。

 子どもたちのタブレットは1年生から6年生まで教室に個人用に整備し、必要に応じて使用する。電子黒板とつないで使うこともある。

 5年生は、家庭への持ち帰りも行っている。校外学習で城ヶ島の地層研究を行った際は、全員が携行し、撮影した画像を帰りのバスの中で整理して、能率をあげた。

 国語の授業も受け持っている鈴木先生は「タブレットは1・2年生では使わなくてもよい気もしています。紙と鉛筆で考える必要があるのではないかと思うのです。情報を共有したり整理するときにタブレットは有効ですが、思考する面ではどうでしょうか。文字の書き取りも『とめ、はね、はらい』をしっかり書くことができるようになるためには、タブレットも黒板も白板も難しい。現時点では、やはり鉛筆はなくてはならないと考えます」。

 小学校では国語科の授業時間を優先して、英語科の授業は6年間を通じて週2時間。日本人教員とネイティブスピーカーの教員がペアを組み、フォニックスシステムも活用している。また、品川翔英中学校との学習連携も進めている。

 男女とも中・高への進学が可能になったことで、小学校は「人間関係をつくることを学ぶ場」として教育環境を守りやすくなった。

「小野学園は、幼稚園も小学校も地域の要望に応えて開設したのが始まりの学校です。ほんとうなら小学校入試など受けさせたくない。保護者の方は、品川翔英に限らずほかの学校の見学などもなさって、ぜひ、子どもに合った学校を選んでほしい」。小野先生の子どもたちへの愛情がにじむ。

School Data
設立年 1948年
学制 共学(男子1:女子1)※年により変動
系列校 品川翔英中学校・高等学校、品川翔英幼稚園
児童数 268名
授業日 週6日制
学期 3学期制
転入・編入 応相談
昼食 お弁当(希望者にはお弁当給食)
放課後支援 小野の子クラブ(19時まで)
初年度費用 1,286,000円(2022年度参考)
進路 系列校進学17%
学校案内 学校説明会、ナイト説明会、入試説明会 HP上でお知らせ

※上記は2022年5月時点(冊子「スクールダイヤモンド2022年春号」)での情報です。
最新情報は各校のホームページ等でご確認ください。
https://www.shinagawa-shouei.ac.jp/primaryschool/

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