12年間をかけて全人教育を

「子どものころにしっかり基礎をつくることが大事です。高校に入る前が大事だと考えて中学校を開校し、さらに小学校の重要性を感じて小学校を設立しました。私立校は保護者も学業成績への期待が先行し、学校もそれに応え過ぎる傾向がありますが、どの子にも機会を与えたいと願い、入試は３回行い、１回目は単願も受け付けています。幸い保護者のみなさまのご理解を得て、長い目で成長を見守っていただいています」と星野校長は穏やかな笑顔で語る。

　豊かな人間を育てるために時間を使う方針で週６日制をとり、１年生から週の授業時数は文部科学省の示す標準授業時数を４時数も上回る。６年間を合計すると標準時数より943時数も多い。しかも総合的な学習や特別活動の時数を多くとり、多彩な行事の中で自立心を育て、人としての器をつくることを重視する。伝統的に強みとする英語、吹奏楽、書道、箏曲、百人一首などは授業としても取り上げ、幅広い人間の土台づくりを行う。「自分ができないことが何かわかったら、それを努力すればいいんだよ」と諭す星野校長は、児童だけでなく教職員にも大人気。それについて星野校長は「できないけど一所懸命やった私自身の体験から出た言葉」と言い、「自分の存在を肯定しなければ相手を尊重もできないでしょう」と語る。

　星野学園では児童・生徒が失敗や過ちを反省し、自分と向き合うことを徹底している。反省できれば「許す」ことも大切にしている。「学校で起こったことはすべて学校の責任。児童・生徒が社会的な迷惑をかけたなら学校も当人と一緒に謝罪する」姿勢を貫く。常に児童の味方であり、過ちを隠さず、潔く非を認めて改め、努力するよう導く。

　そうした星野校長の姿勢は児童にも通じ、折に触れて「過ちて改めざる、是れを過ちと謂う。」の言葉を口にする。まじめをよしとし、志をもって社会に出て活躍してほしいと願う校風は、小学校の6年間で浸透する。

トップレベルの大学進学に向けて

「12年間の一貫教育」は星野学園の柱の一つであり、卒業生のほとんどが星野学園中学校へ進学する。ただし6年生には内部進学テストを行い、一定の基準を満たすことが条件。基準に満たない場合は長期休暇中に補習を行う。さらに内部進学者は春休みに中高の教員によるブリッジ講習を受ける。中学１年次から習熟度別学習を行い、一人ひとりの学力を伸ばしている。高校では理数選抜、S類・αコースなどにより目標の高い大学受験への体制も整えている。だからこそ内部進学者の中から文武両道でトップレベルの大学進学を果たす生徒がますます増えていくだろう。