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「早起き・朝ご飯・早寝」と、相模女子大学の堤ちはる教授は提唱する。「早寝・早起き・朝ご飯に比べると語呂は少し悪いけれど、無理にでも子どもを早起きさせて、しっかり朝ご飯を食べさせれば、午前中から体も脳も活発に働き、昼食も十分食べて、午後も元気いっぱい活動する。そうなれば疲れて夜更かしなどできません」。この堤教授の論を裏付ける、朝食の重要性を示す調査結果の一端を紹介しよう。
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スポーツ庁が行う体力・運動能力調査では、小学5年生に握力、上体起こし、長座体前屈、反復横とび、20 mシャトルラン、50 m走、立ち幅とび、ソフトボール投げの実技調査を行い、点数化して体力の目安とする。小学5年生の朝食摂取状況と体力合計点を比較すると、図1のように、朝食を食べない子どもは、男子全国平均54.2 に対して51.0 と3.2ポイントも低い。女子も平均55.9 に対して朝食を食べない子どもは3.0ポイント低い結果が出ている。
朝起きた時は、脳も体もエネルギーが不足した状態で、目覚めたばかりの脳はエネルギー源のブドウ糖を必要としている。その補給と同時に、口に食べものを入れて噛むことで脳は覚醒し活発になる。朝ご飯を食べずに登校した子どもは、活発に働いていない脳のまま授業が始まってしまう。図2のように、文部科学省の小学6年生を対象とする学力・学習調査の結果においても朝食を食べているか食べていないで正答率に差が出ている。
図3は、公立の小学5年生と中学2年生約1万人に行われたアンケート調査の結果だ。朝食を食べない児童生徒と午前中身体の調子が悪い児童生徒が明白に重なる結果が出ている。
朝食を食べる子どもと食べない子どもによって給食に対する食欲にも差が出る。朝食抜きにもかかわらず、給食を全部食べない子どもが多い結果(図4)になっている。
乳幼児栄養調査結果(図5)によると、保護者が必ず朝食を食べる家庭では95.4%の子どもが必ず朝食を食べる。一方、保護者がほとんど食べない・全く食べないという場合は、約20%の子どもが朝食を食べていない。
冊子「スクールダイヤモンド2019年春号」より