「いつも子どもと共に」いる

　小学校は男女共学だが、5年生からは男女別のクラス編成になり、男女の間で差が出る心身の成長段階に合わせた指導を行う。4年生までは混合の3クラスが、男子2クラス、女子2クラスの計4クラスになる。

「男女が分かれた5年生の最初は妙に静かに始まりますが、まもなく男子はけんかの仲裁役などをしてくれた女子にお世話になっていたことに気づき、その役を担う男子が現れます。一方、女子は授業中のリード役や発言の口火を切る男子がいないことに気づき、積極的に張り切る子が出てきます。こうして子どもたちの秘めた力が表れる環境が生まれていきます」。委員会活動やクラブ活動、行事などは合同で行い、男子と女子が協力し刺激し合う学びの質は高い。

　1年生から4年生の各3クラスは担任3人のほかに学年担任3人、5・6年生は担任4人と学年担任2人。各学年6名の担任に加えて専科の教員も昼食や休み時間を子どもたちと一緒に過ごし、楽しいこと、うれしいことを共にする。子どもたちの声に耳を傾け、変化を見逃さず、思いや考え、悩みなどを共有する。愛される安心と信頼が、子どもたちをのびやかな成長へ導く。愛されていることを感じられる関わりは、「いつも子どもと共に」いることにつながる。教職員は、応援を頼まれれば必ず誰かが進み出て子どもたちのいるところへ駆けつけるようにしている。

「いつも子どもと共に」の実践のなかでもとりわけ「合宿」は親密度が高まる。この宿泊行事は創立早々から続いており、教職員が24時間子どもたちと一緒に生活することで、学校では見えなかったひとりひとりの良い面を発見し、より親しくなり信頼関係を築く機会になる。さらに自然や歴史、人々など、現地で本物に触れ、その後の学習のモチベーションにもなっている。

　2年生は1泊2日で山中湖、3年生と4年生は3泊4日で菅平と志賀高原。5年生は尾瀬と男女別のサマースクール・森の学校、6年生は沖縄、スキースクールと、学年の成長と発達に沿った内容を準備して、6年間で7回の合宿を体験する。

　自然や友だちと向き合い、自分の内面を見つめる時間ともなり、重ねてきた体験を力に、6年生は中学校での新しい出会いに胸を膨らませて巣立っていく。