教育理念・教育目標・教育方針
緑あふれる恵まれた環境の中で、心身ともに健康で
みずみずしい感性をもち、豊かで伸びやかな、
バランスのとれた意欲ある子どもを育てたい
〒186-0004 東京都国立市中3-1-10
Tel 042-575-2231 Fax 042-577-9805
https://www.tohogakuen-e.ed.jp/
最寄駅●国立駅(JR中央線)、谷保駅(JR南武線)から徒歩15分
いのちと自然が息づく「桐の庭」で
徹底した体験主義をとおして
好奇心旺盛に 伸びやかに 自ら学んでいく
自然とともにある学び舎
JR中央線国立駅と南武線谷保駅を結ぶ大学通り。桜が咲く春、イチョウが色づく秋、桐朋学園小学校の子どもたちは毎朝15分をかけ、自然の息吹を感じながら学校へと向かう。
シンボルツリーの大イチョウの木が出迎える広いキャンパンスには、共学の小学校と男子校の桐朋中学高等学校がある。このイチョウの木には、いちばん下の枝に手が届けば登っていいという約束がある。
その先には「みや林」と呼ばれる雑木林が広がり、クヌギやコナラをぬうように続く木道は、みんなでお世話するヤギやウサギ、チャボの飼育小屋やカルガモの泳ぐ池、「桐の庭」と呼ばれる畑や田んぼにつながっている。
好奇心と没入する力を生む環境
「小学校の子どもたちは旺盛な好奇心を持っていて、興味のあることに対して強い関心を持続させる力があります。例えば、観察や調べもの、絵を描くような場面では、自分が納得するまで粘り強く取り組む姿勢が見られます。何かに没入したり、熱中したりする“熱量”がすごいのです。同時に、一つのことに集中して頑張れる力強さ、コツコツと着実に努力し、あきらめずにていねいに取り組む姿勢ももちあわせています。学習面でも後からぐんと伸びるのです」と小中高等学校の校長をかねる原口大助校長は語る。
校舎内にある理科室や図工室は、ものづくりや観察をする場として、休み時間にも子どもたちに開放されている。
「校内の椿が咲き、椿の実ができたことから、『椿油は髪の毛にいいらしい。絞ってみたい』と思いついた子の提案で、実際にやってみることになりました。できた椿油はほんの少量で濁っていましたが、自分たちで絞った椿油ができ、子どもたちは大満足でした。この出来事が理科室の新聞に載ったことで好奇心が刺激され、『ほかの木の実でも油が絞れるのかな』という話も出たほどです」と後藤恭子小学部長は話す。
「本校には自分なりに興味を持ち、やりたいことや取り組みたいことを見つけ出し、工夫しながら取り組む姿が随所に見られます。環境を整え用意して、そうした子どもの意欲や興味、関心をていねいにすくい上げています。すると一人ひとりの純粋な興味がまわりの子どもたちにも波及し、自発的な活動へと広がっていく。私たち教員は、そうした小さな芽を大切にし、全力で応援しています」と原口校長。
行事で実体験と体感を重ねる
年間をとおして、登山遠足や林間学校、臨海学校などたくさんの行事や体験会が行われている。その中で「生活科」には、各学年に受け継がれてきた伝統のものがある。
4年生の「羊毛で織物作り」は、牧場で羊毛を刈る体験から始まる。
「見た目はかわいい羊ですが、実際に触るとお尻の毛は汚れて脂でべったりとしています。その毛をハサミで刈り、洗い、乾かした毛をほぐし、紡いで糸にします。校内の植物を煮出して染色し、6色ぐらいの毛糸に仕上げ、自作の織り機で織って布にします。こんなふうに人は着るものを作ってきたのだ、と体感します」と後藤小学部長。
5年生になると、「土器作り」に挑む。博物館で縄文土器を観察してスケッチし、粘土で形を作り、「桐の庭」で焚き火を起こして野焼きにする。3人1組で火を起こし、土器を炎へ近づけていく。土器は熱でゆがんだり、ひびが入ったり、割れてしまうこともある。炎は美しいが、とても熱くはぜる。煙もたくさんでて、目に沁みる。
「卒業生や近隣の方々の協力で行う野焼きでは、思い通りに焼き上がらないことも少なくありません。そうした失敗もまた、かけがえのない学びの機会なのです。大切なのは完成品の質ではなく、そこへ至るまでのプロセスです。本物の体験をし、体感し、感じてほしい。私たちはそのために多様な場を用意しています」と原口校長は力説する。
みんなが顔見知りの安心と学びあい
入学式の日、1年生の胸に名札をつけてくれるのは5年生。この5年生と新入生はペアを組み、しばらく一緒に下校したり遠足に行ったりする。校内案内や体操のお手本は、学校に慣れた2年生がする。6年生とのペアではないのは、卒業まで2年間一緒にいられるからで、新入生は安心して学校生活をスタートできる。
卒業前に、6年生は2年生のためにサンドイッチを用意してお別れ会食をし、2年生は感謝の手紙を心を込めて書いて渡す。
異学年で活動する行事や活動も多く、学校中の児童や先生方もお互いの名前を知っていて、心の距離が近い。そんな安心感の中で、上級生は下級生の手本となり、下級生は上級生を目標にして学びあっている。
よく考えられた教材と指導法
一年生で文字を習う時は「あ」からではなく、一画の「て」から学び、「く」、「つ」と続き、「くつ」ができる。その後、2画、3画と進む。
算数では、1㎝四方のタイルを使って数を学ぶ。1の位、10の位、100の位、千、万の位までタイルを並べていくと、巻物のようになる。後藤小学部長は「このように実際に手で操作しながら理解を深めることを大切にしています。子どもたちが数の概念を直感的に理解できるように、使う具体物や自主教材を工夫しています」と話す。
教員は常に、子どもたちが自発的に興味を持ち、楽しく学べ、わかりやすいように、合理的な指導法や教材を工夫している。また、子どもの好奇心を刺激するような自然なきっかけをつくり、興味関心を引き出そうと、「一人ひとりの心のすみずみに届く」ように目をこらしている。
一人ひとりをしっかり見る姿勢は、面接が子どもだけの入学試験にも表れていて、一緒に学校生活を送りたいと思う子との出会いを待っている。
「幼少期から子どもの気持ちに寄り添い、ともに楽しむ体験を積み重ねることが、すこやかな成長につながります。ご家庭でも、お子さんのポケットからどんぐりが出てきたら、『どこで拾ったの?』『拾ったときの様子を聞かせて』と、ぜひ興味をもって尋ねてみてください」と原口校長は微笑む。
設立年 | 1959年 |
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学制 | 共学(男子1:女子1) |
系列校 | 桐朋中学校 桐朋高等学校 桐朋女子中学校 桐朋女子高等学校 |
児童数 | 1学年72名(36名×2クラス) |
授業日 | 週5日制 |
学期 | 3学期制 |
昼食 | 弁当5日(昼食注文システム有り 4年生以上は週1回食堂利用) |
初年度費用 | 1,020,400円 |
転入・編入 | 欠員がある学年のみ学年末に実施 |
進路 | 推薦を得て男子は桐朋中学校、女子は桐朋女子中学校へ進学できる制度あり。 |
学校説明会 | 4月20日(土)10時/14時、5月18日(土)10時/14時、9月5日(木)10時30分 |
校舎見学会 | 6月15日(土)10時〜、13時〜 |
学校案内 | 本校HPをご覧ください |
※上記は2024年5月時点(冊子「スクールダイヤモンド2024」)での情報です。
最新情報は各校のホームページ等でご確認ください。
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