日本女子大学附属豊明小学校

 教育の理念  
「信念徹底(一生懸命がんばる子)」「自発創生(自ら進んで行動する子)」「共同奉仕(みんなと力を合わせ協力する子)」

〒112-8681 東京都文京区目白台1丁目16-7
TEL:03-5981-3800
https://www.jwu.ac.jp/elm/
最寄駅● 目白駅(JR山手線)より徒歩15分、スクールバス5分

「つながり」が育む確かな学び
一人ひとりの個性を大切にする 
120年の伝統と新たな挑戦

廊下の至る所に子どもたちが創作した作品を展示

伝統を受け継ぐ美術教育

 目白台の緑豊かな環境に位置する日本女子大学附属豊明小学校。1906年の創立以来、女子教育のパイオニアとして歩み続け、2026年に創立120周年を迎える。

 目白通りを挟んで日本女子大学の向かい側に建つ校舎は、やわらかな曲線を活かした印象的なデザイン。「作品は子どもの思考」という考えのもと、明るい廊下には子どもたちの作品が並び、感性を育む環境となっている。

「本校では、さまざまな人々との交流や経験を通して視野を広げ、他者との違いや共通点に気づき、自己の固有性を感じ、自分をじっくり見つめる機会を大切にしています」と宮城和彦校長は語る。

 創立者・成瀬仁蔵は、創立当初から陶芸や工作、絵画など当時には珍しい、自由で本格的な美術教育を展開した。100年以上にわたる伝統は現在へと引き継がれ、創造的な授業が活発に行われている。

図工の時間では、創作過程の試行錯誤や思考のプロセスを重視

端材から生まれる「つなぐ」の精神

 図工室には、子どもたちの活気あふれる声が響き渡る。「豊明の図工では、本物の素材に触れることを大切にしています」と図工科主任の横井真希子先生。

 校内には四季折々の木々が茂り、先生たちは一年を通して季節の素材を集める。「クリスマスリースづくりでは、本物のモミの木の枝を見せ、自然の中から集めた松ぼっくりを使います。豊かな自然は、私たち図工科の大切な教材庫です」と語る。授業では木材などを使うため端材が出るが、それもまた自然とのつながりから生まれる大切な素材として活用されている。

 約30年前から続くモニュメントづくりは、創造性を育む図工の集大成だ。4年生と3年生が協力して端材で枝を作り、それらを組み合わせて大きな木を作り上げる。「素材をつなぐ、伝統をつなぐ、そして人と人をつなぐ。この3つの『つなぐ』が、モニュメントづくりの核となっています」と横井先生は語る。

 4年生は3年生に錐(きり)や金づちの安全な使い方を教え、一緒に端材をつないで枝を作っていく。上級生は責任感をもってやさしく教え、後輩たちは「あこがれの上級生」という成長モデルを身近で見て「私もこうなりたい」という思いを抱く。

 完成した木のモニュメントは、校舎入り口前の「学園通り」に展示され、さまざまな形の端材の隙間から青空がのぞく。このモニュメントは、来年の12月にまた新しく生まれ変わる。木の葉が季節とともに移ろうように、子どもたちの創造の営みも、世代を超えてつながっていく。

 横井先生は、図工には児童一人ひとりの個性を開花させる力があると語る。「子どもたちは皆、独自の輝きを持っています。図工の時間には、目の前の素材と向き合い、考え、手を動かし、時には仲間と協力しながら作品を作り上げていきます。その過程での試行錯誤や思考のプロセスそのものが、子どもたちの成長につながっているのです。人と違っていることは自分らしさの証であり、失敗も大切な学びの一つです」。

「ほうめいこどもクラブ」では、実りある放課後の時間を提供

楽しいプログラムで英語が好きに

 2024年7月、夏休みの5日間に初めて開催された「JWU Homei Summer School(ほうめいサマースクール)」は、日本女子大学が重きを置くグローバル教育とSTEAM教育を融合させた意欲的な取り組みだ。豊明幼稚園の年長から小学6年生までを対象に、ネイティブスピーカーやバイリンガルスタッフと一日中英語で過ごす環境は、まるで海外留学のような雰囲気を醸し出している。

 一日のスケジュールは、英語でのコミュニケーションから始まり、仲間とともに取り組むチームアクティビティ、プログラミング、ダンス、アート、食育など、一人ひとりの興味や関心を引き出すバラエティ豊かな内容となっている。特に、理科の実験を行うサイエンスの時間は、磁石、糸でんわ、プラネタリウムなど各学年の発達段階に応じたプログラムを用意し、子どもたちの知的好奇心を刺激する工夫が随所に凝らされている。

 このサマースクールの特長は、日本女子大学のさまざまな分野の教授陣が専門性を生かしてプログラムを考案したことにある。それを小学校の教員が子どもたちの発達段階に合わせて丁寧にアレンジすることで、楽しみながら学べる独自のカリキュラムが実現した。

 宮城校長は「単にバイリンガルをめざすのではなく、他者との関わりを通じて視野を広げ、一人ひとりが自分らしい興味や可能性を発見するきっかけになれば」と期待を込める。

 普段通っている学校で行われる行事だけに保護者の関心も高く、各学年20名の定員はすぐに埋まるほどの人気を集めた。慣れ親しんだ学校という安心できる場所で、子どもたちはともに学び、教科横断型のプログラムを英語で楽しみながら、社会で活躍するために不可欠な「考える力」を育んでいく。

宮城和彦校長

全員を巻き込む多様な授業の形

 歴史と伝統を大切にしながら、新しい取り組みにも果敢に挑戦する豊明小学校。創立者・成瀬仁蔵の掲げた教育理念は、確かな学びの礎となっている。「一人ひとりの中にある固有の輝きを見つけ、引き出し、花開かせていく。それが私たちの大切にしている教育です」と宮城校長。「図工でも、サマースクールでも、すべての教科や活動が、子どもたちの興味関心を広げ、個性を深めていくきっかけとなっています。本校の先生は、一人ひとりをきめ細やかに見守り、その子らしさを大切に育んでいます。保護者の皆様には学校の教育方針をご理解いただき、子どもたちの成長をともに支えていけたら」と笑顔で語った。

 端材がつながって大きな作品となるように、一人ひとりの個性が響き合い、より大きな価値を生み出していく。その営みは、まさに豊明小学校が大切にしてきた「つながり」の精神そのものだといえるだろう。

School Data
創立年 1906年
学制 女子校
系列校 日本女子大学附属豊明幼稚園、日本女子大学附属中学校・日本女子大学附属高等学校、日本女子大学
児童数 1学年38名3クラス
学期 3学期制
昼食 あり(週3回。週2回はお弁当持参)
初年度費用 1,331,250円
進路 約95%が附属中学校へ進学
学校説明会 5月10日(土)※要ウェブサイトからの事前申し込み
オープンスクール オープンスクール 5月24日(土)、授業見学会 6月18日(水)、個別相談会 7月27日(日)
※要ウェブサイトからの事前申し込み

※上記は2025年5月時点(冊子「スクールダイヤモンド2025」)での情報です。
最新情報は各校のホームページ等でご確認ください。
https://www.jwu.ac.jp/elm/

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